出勤日数が違う月でも、月額で決まった基本給は同じになることがあります。会社が決めた休日が多くて出勤日が少ないことと、働く予定の日に欠勤することは別だからです。一方、日給制は日額と賃金の対象になる日数で基本部分の額が変わります。
「月給」「日給月給」という名前だけでは、欠勤時の計算までは決まりません。この記事では、月額か日額か、欠勤時に何が差し引かれるか、支払日はいつかを分けて、住み込み求人の収入の見通しを確かめます。
3つの違いを表で比べる
比べる点 | 月額で決まり欠勤控除なし | 月額で決まり欠勤控除あり | 日額で決まる |
|---|---|---|---|
呼び方の例 | 完全月給 | 日給月給など | 日給 |
会社の休日が多く、出勤日が少ない月 | 月額の基本給は原則同じ | 欠勤がなければ月額の基本給は原則同じ | 賃金の対象日数により変わる |
働く予定の日に欠勤したとき | 基本給を減らさない扱い | 規程に基づき控除する扱い | その日の賃金の扱いを確認 |
実際に確かめること | 手当も固定か | 控除する項目と計算方法 | 日額・対象日数・有給休暇や休業日の扱い |
※表は計算方法を比べるものです。求人に書かれた名称だけで、どの列に当たるかは確定しません。手取り額の比較表でもありません。
厚生労働省の資料では、月額から欠勤分を差し引く方式を日給月給、欠勤の有無にかかわらず支払う方式を完全月給として区別しています。一方、ハローワークの求人票では、欠勤控除の有無にかかわらず「月給」と表記する方式に統合されています。「月給だから欠勤しても減らない」と読まず、労働条件通知書や賃金規程の控除方法まで確認してください。
雨で現場が中止になった日の扱いは、これとは別の話になります。中止の理由や会社の決まりで変わるので、「建設現場は雨の日休み?雨天中止の日の給料と、日給・月給で変わる収入の確認ポイント」で確認してください。この記事では、自分の都合で休んだ日や、月ごとの出勤日数の違いに絞って説明します。

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それぞれの給料の決まり方
月額で決まる場合
会社カレンダー上の出勤日数が月によって違っても、欠勤せず予定どおり勤務していれば、月額の基本給は原則として同じです。祝日が会社の休日になっている月と、自分の都合で欠勤した月は分けて考えます。祝日を勤務日にしている会社もあるので、祝日というだけで休日とは判断できません。
月額から欠勤分を差し引く場合
月額の基本給を決め、欠勤があったときに規程に従って差し引く方式です。「日給月給」と呼ばれることがありますが、日額を出勤日数分積み上げる日給制とは計算の出発点が違います。欠勤1日分を出す際の分母や、手当も控除するかは会社によって異なります。労働条件通知書と賃金規程で、計算式と対象項目を確認します。
日額で決まる場合
日給制の収入を考えるときは、日給額と勤務日数を分けて確認します。休業日や有給休暇、手当の扱いも確かめてください。
日給は計算の単位で、日払いは支払う時期の話です。日給制でも月払いの場合があるので、締め日と支払日を別に確かめます。
基本給が同じでも受け取り額が違う場合
残業代、出勤日数に応じた手当、税金や社会保険料、寮費などの差引額が変われば、手取り額も変わります。「給料が同じか」は、基本給・手当を含む支給額・手取りのどれを比較しているかをそろえて確認しましょう。
「欠勤控除」と「減給」は別のもの
欠勤した時間に対応する賃金を規程に従って差し引くことと、懲戒処分として賃金を減らすことは別です。「休んだ分なら、どんな金額でも引ける」という意味ではありません。どの賃金を対象に、何日・何時間分として計算したかを確認します。
制裁として減給する場合、労働基準法第91条では、1回の額は平均賃金1日分の半額、総額は1賃金支払期の賃金総額の10分の1を超えてはならないとされています。この上限内ならどの処分も有効という意味ではなく、欠勤控除の計算にそのまま当てはめる上限でもありません。
給与明細に「欠勤控除」とあれば、休んだ日数や時間の分だけ引かれているかを見ます。休んだ分より多く引かれていると感じたら、計算方法を会社に聞いてみましょう。
給与欄は自分に適用される条件を確認する
基本給、固定の手当、実際の勤務や資格によって変わる手当を分けて読みます。欠勤した日、休日、雨天で作業が中止となった日の扱い、締め日と支払日も書面で確認しましょう。

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住み込みなら、毎月出ていくお金と並べて考える
寮費・食費・光熱費について、月額か日額か、給与からの控除か別払いか、補助があるかを確認します。無料という表現がある場合も、対象となる費目と条件を聞いてください。
寮費が月額で決まっている場合は、給料が日数で変わる働き方でも、出勤日数が少ない月に同じ額がかかります。次の表に自分の数字を入れて、出勤日数が少ない月でも手元にいくら残るかを先に確かめておくと安心です。
項目 | 出勤日数が多い月 | 出勤日数が少ない月 |
|---|---|---|
支給見込み額(日給分または月額から欠勤控除した額+対象手当。税・社会保険料を引く前) | 円 | 円 |
寮費・光熱費 | 円 | 円 |
食費 | 円 | 円 |
社会保険料・税金 | 円 | 円 |
手元に残る額 | 円 | 円 |
もうひとつ、締め日と支払日も見ておきます。たとえば月末締め・翌月20日払いの求人なら、月の途中に入社した場合、その月の働いた分は翌月20日の支払いになるのが通常の流れです。ただし、最初の給料がどの期間の分で、いつ入金されるかは入社日や会社の手続きによって変わるので、入社前に確認しておきましょう。最初の給料までの生活費が心配なら、前払い制度の有無も確かめておきます。仕組みは「住み込み求人の給与前払いとは?日払い・週払いとの違いと確認8項目」で解説しています。寮費の内訳は「寮費とは?給料から引かれる費用の内訳と、無料・補助あり求人で確認する6項目」も参考になります。
あわせて、最低賃金を下回っていないかを自分で確かめる方法もあります。厚生労働省は、日給なら「日給÷1日の所定労働時間」、月給なら「月給÷1か月平均所定労働時間」で時間あたりの額を出し、地域の最低賃金と比べる方法を示しています。比較には最低賃金の対象になる賃金を使い、通勤手当・家族手当・精皆勤手当、残業代など対象外の賃金を除きます。寮費などを引いた後の手取り額で比較するものではありません。対象賃金の範囲は、厚生労働省「最低賃金の対象となる賃金」で確認できます。

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応募前に会社へ聞く5つの質問
自分の都合で休んだ日や遅刻・早退は、基本給から差し引かれますか。1日分はどう計算しますか
月給とは別に、1日単位で出る手当はありますか
(日給の場合)月に何日くらい出勤する見込みですか
締め日と支払日はいつですか。入社した月の給料はいつ入りますか
寮費・食費・光熱費は、いくら、どのように差し引かれますか
よくある質問
Q. 正社員なら給料は月給制ですか。A. 雇用形態と賃金の計算方法は別です。正社員という名称だけで判断せず、計算方法と支払時期を確認してください。
Q. 有給休暇を使った日も、日給月給だと差し引かれますか?
A. 年次有給休暇を取得した日を、無給の欠勤と同じ扱いにはできません。ただし、その日の賃金が普段の出勤日と必ず同額になるとは限りません。支払う額は、就業規則などであらかじめ定めた平均賃金、通常の賃金、労使協定がある場合の標準報酬月額の30分の1相当額といった方法により決まります。給与明細の見た目だけで判断せず、会社がどの方法を使っているかを確認してください。
年次有給休暇は、原則として入社から6か月継続して働き、全労働日の8割以上出勤した場合に付与されます。入社時などに前倒しして付与する会社もあります。
Q. 「日給月給」と「月給日給」は違うものですか?
A. 名称だけでは、自分の給与の計算方法を確定できません。月額を決めて欠勤分を差し引くのか、日額と対象日数を掛けるのか、手当も日数で変わるのかを確認してください。本記事では、厚生労働省の資料に沿って、月額から欠勤分を差し引く方式を「日給月給」として説明しています。
出典・確認日
出典:厚生労働省「賃金制度」、静岡労働局「求人票の賃金制度の表記変更」、労働基準法第24条・第91条、厚生労働省「年次有給休暇取得日の賃金」。
月給か日給かは、給料の額そのものよりも、休んだ月や日数が少ない月にどうなるかを左右します。寮費のように毎月かかるお金と並べて、無理のない働き方かどうかを見てください。
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