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シーリング工の仕事内容とは?施工の流れ、防水工との違い、資格を解説

編集部

シーリング工は、外壁材の継ぎ目(目地)やサッシのまわり、ガラスの周囲などのすき間にシーリング材を充填し、雨水や風が建物の中へ入るのを防ぐ仕事です。作業は、目地の清掃、養生、下塗り材の塗布、充填、ヘラでの仕上げと、細かな工程の積み重ねです。この記事では、施工の流れ、防水工やサイディング工との違い、未経験者が最初に担当する作業、技能検定「防水施工」のシーリング防水工事作業、応募前に確認することを整理します。

シーリング工とはどんな仕事か

厚生労働省の技能検定に関する案内では、防水工事は形状によって、屋上などの面を覆う「メンブレン防水」と、目地などの線をふさぐ「シーリング防水」に大きく分けられています。シーリング工は、このうち線状の防水を担う仕事です。厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)でも、「防水工」の別名として「シーリング工(防水工事)」が挙げられています。

主な施工場所は次のとおりです。

  • サイディングやALCパネル、コンクリートパネルなどの外壁材の目地

  • サッシやドア枠と外壁のすき間

  • ガラスとサッシの間

  • 浴室・キッチンなど水まわりの取り合い部分

新築工事で初めて充填する仕事と、古くなったシーリングを改修する仕事があります。改修では、既存のシーリング材を撤去して充填し直す方法と、既存の上に重ねて充填する方法があり、どちらを採るかは建物の状態や工事の仕様で決まります。

なお、現場では「コーキング」「シール」とも呼ばれます。呼び方は会社や地域によって異なるため、求人票では呼び方よりも、施工場所と新築・改修のどちらが中心かを見てください。

シーリング工事の作業の流れ

例として次のような工程があります。実際の順序や役割分担は、会社や現場によって異なります。

  1. 既存材の撤去(改修の場合):古いシーリング材をカッターなどで取り除きます。

  2. 目地の確認と清掃:目地の幅や深さ、下地の状態を確かめ、ほこりや汚れ、水分を取り除きます。

外壁目地の古いシーリング材を撤去して下地を整える作業
  1. 目地底の処理:目地の深さを調整する材料や、目地底にシーリング材が接着しないようにする材料を入れる場合があります。使う材料は目地の仕様によって異なります。

  2. マスキングテープによる養生:仕上がりの線をまっすぐにし、周囲を汚さないよう目地の両側にテープを張ります。

  3. プライマーの塗布:シーリング材を下地に接着させるための下塗り材を塗ります。

サッシまわりをマスキングし目地へプライマーを塗布する作業
  1. シーリング材の充填:ガンを使って目地の奥まで材料を詰めます。基剤と硬化剤を混ぜてから使う材料では、混ぜる作業も含まれます。

シーリングガンで外壁目地へシーリング材を充填する作業
  1. ヘラ押さえ・仕上げ:ヘラで押さえて材料を目地に密着させ、表面を整えます。

  2. マスキングテープの除去・清掃:材料が硬化する前にテープをはがし、周囲を清掃して仕上がりを確認します。

充填したシーリング材をヘラで押さえてテープを除去し仕上げる作業

材料の種類、目地の動き方、下地の素材によって、使う材料や工程は変わります。すべての現場で同じ手順になるわけではありません。

似た職種との違い

職種

主な施工場所

主な作業

シーリング工(本記事)

外壁の目地、サッシまわり、ガラスまわりなどの継ぎ目

目地の清掃・養生、プライマー塗布、シーリング材の充填・仕上げ

防水工

屋上、ベランダ、地下など面状の部分を含む防水工事全体

塗膜・シート・アスファルトなどによる防水層の施工

サイディング工

外壁

サイディング材の割付け・張付け

ALC工

外壁・間仕切壁・床・屋根

ALCパネルの取付け

塗装工

外壁・内装・鉄部など

下地調整、塗装

改修工事では、同じ建物にシーリング工と塗装工が入り、シーリングの打ち直しのあとに塗装を行う場合があります。会社によっては、シーリングと塗装、シーリングと防水を同じ職人が担当することもあるため、担当範囲は求人ごとに確認してください。

未経験者が最初に担当する仕事

  • 材料・道具の運搬と準備

  • 目地の清掃

  • マスキングテープの張り付けとはがし

  • 既存シーリング材の撤去(改修の場合)

  • 使い終わった道具の清掃、ゴミの分別

養生は仕上がりの見た目を左右する工程で、充填やヘラ押さえは経験を積みながら任されていきます。どの段階で充填を担当するかは、会社によって異なります。

資格・教育

シーリング工として入職するために、全員があらかじめ取得しなければならない1つの資格があるわけではありません。ただし、求人ごとに応募条件は異なり、担当する作業によっては法令で定められた教育の受講や資格が必要になります。

国の技能検定では、「シーリング技能士」という独立した職種があるわけではありません。技能検定「防水施工」の中に、作業の区分として「シーリング防水工事作業」があります。合格すると、防水施工技能士(シーリング防水工事作業)を名乗れます。

資格・教育

内容

関係する場面

技能検定「防水施工」(シーリング防水工事作業)

シーリング防水の技能の水準を評価する国家検定。働き始めるための免許ではない

経験を積んだあと、技能の証明として

足場の組立て等の特別教育

足場の組立て・解体・変更の作業に係る業務が対象(地上または堅固な床上での補助作業を除く)

足場の組立て・解体も担当する場合。足場の上でシーリング作業をするだけの場合とは区別される

フルハーネス型墜落制止用器具の特別教育

高さ2m以上で作業床の設置が困難な場所で、フルハーネス型を使う作業(ロープ高所作業を除く)

作業場所がこの条件に当たる場合

ゴンドラの操作の特別教育

ゴンドラを操作する業務が対象

外壁をゴンドラで施工する現場

ロープ高所作業の特別教育

ロープで身体を保持して行う高所作業が対象

ロープを使って外壁を施工する会社

高所作業車(作業床の高さ10m未満)

特別教育

高所作業車を運転する場合

高所作業車(作業床の高さ10m以上)

高所作業車運転技能講習

同上

職長教育

新たに職長等の職務に就く人に対して、事業者が行う教育

現場で作業員を指揮する立場になる場合

技能検定の受検資格は、等級のほか、実務経験、学歴、職業訓練歴などによって異なります。

外壁のどこでどう作業するかによって、必要な教育が変わる点に注意してください。足場を使うのか、ゴンドラなのか、ロープなのかは会社や現場ごとに異なります。

安全面で気をつけること

  • 高所での作業:外壁の目地は建物の上から下まで続くため、足場やゴンドラなどでの作業になります。高さ2m以上で墜落のおそれがある場合は、場所の状況に応じて作業床の設置や、端・開口部への囲い・手すり・覆い等の措置がとられます。

  • 材料の成分:プライマーや洗浄に使う溶剤などには、有機溶剤を含む製品があります。安全データシート(SDS)で成分を確認し、換気や保護具などの対策がとられているかを確認してください。

  • 刃物の扱い:既存材の撤去やテープの切断でカッターを使うため、手を切らないよう手袋や刃の扱い方を教わります。

  • 暑さ:夏場の外壁作業では、法令上「熱中症を生ずるおそれのある作業」に該当する場合、事業者は症状を報告する体制を整え、作業からの離脱・身体の冷却・必要に応じた医師の診察等の手順を定めて周知することになっています。

1日の流れ

  1. 事務所や寮に集合し、現場へ移動する

  2. 朝礼、危険予知活動、その日の施工範囲の確認

  3. 目地の清掃・養生

  4. 休憩

  5. プライマー塗布、充填、ヘラ押さえ

  6. テープの除去、清掃、道具の片付け、翌日の段取り

シーリング材は、下地がぬれていると接着しにくくなります。降雨時や雨のあとで下地が乾いていないときは、施工を見合わせる場合があります。

住み込みで確認すること

  • 雨の日の扱い:施工を見合わせた日が休工になるか、別の作業になるか。休工日の賃金は、給与形態や就業規則・賃金規定等によって異なります。

  • 現場の範囲:寮の近くか、遠方の現場や出張があるか。

  • 寮から現場への移動:乗り合いの社用車か、自分で移動するか。

  • 入社時の移動費:寮へ入るまでの交通費の扱いは住み込みの赴任交通費で確認方法を整理しています。

  • 道具:ガンやヘラなどを貸与するか、自分で用意するか。

求人票で確認するポイント

項目

見るところ

確認したい理由

施工場所

外壁の目地、サッシまわり、ガラスまわり、水まわりなど

作業場所の高さや姿勢が変わるため

新築か改修か

新築工事、改修工事、マンションの大規模修繕など

撤去作業の有無や現場の期間が変わるため

担当範囲

シーリングのみか、塗装・防水も行うか

覚える作業と必要な教育が変わるため

高所作業の方法

足場、ゴンドラ、ロープ、高所作業車

受講が必要な教育が変わるため

給与形態

月給、日給月給、日給など

雨で休工した日の収入に関わるため

契約形態

雇用契約か、請負・業務委託か

社会保険や給与の扱いが変わるため

寮

寮費、個室か、現場までの距離

毎月の手取りと通勤の負担に関わるため

面接で聞いておきたい質問

  • 「施工するのは、外壁の目地が中心ですか。サッシまわりや水まわりもありますか」

  • 「新築と改修の現場の割合はどのくらいですか」

  • 「シーリング以外に、塗装や防水も担当しますか」

  • 「外壁の高い場所は、足場、ゴンドラ、ロープのどれで施工していますか。必要な教育は会社で受講できますか」

  • 「雨で施工できない日は、休みになりますか。その日の給与はどう扱われますか」

  • 「入社後、どのくらいの期間は養生や清掃が中心になりますか」

判断するときのポイント

  • 施工場所と高所作業の方法が、自分が働ける条件と合っているか

  • 雨の日の扱いと給与形態を理解したうえで、月の収入の見通しが立つか

  • 細かな作業を一つずつ積み重ねる仕事の進め方が合いそうか

よくある質問

Q. シーリング工と防水工は同じ仕事ですか?

防水工事のうち、目地などの線状の部分をふさぐのがシーリング防水です。屋上などの面を覆う防水とは材料も工程も異なります。会社によっては両方を担当するため、求人票で担当範囲を確認してください。

Q. シーリングの技能検定を受けないと働けませんか?

技能検定「防水施工」(シーリング防水工事作業)は、シーリング工として働き始めるための法令上の必須免許ではありません。ただし、求人ごとの応募条件は異なります。

Q. 高いところが苦手でもできますか?

外壁の施工では高所作業になる場面があります。一方で、サッシまわりや内装の水まわりなど、比較的低い場所の施工もあります。どんな現場の割合が高いかを面接で確認してください。

まとめ

応募前に確認したいのは、次の3点です。

  • 施工場所(外壁の目地が中心か、サッシまわり・水まわりもあるか)

  • 高所作業の方法(足場、ゴンドラ、ロープ、高所作業車)

  • 雨で施工できない日の扱いと給与形態

この3点が分かれば、どんな場所で、どんな教育を受けて働き、月の収入がどう動くのかを判断しやすくなります。

ここが曖昧なまま入社すると、高所作業の方法や雨の日の収入の変化が想定と違うことがあります。

判断の軸は、作業する場所と天候による収入の変化を、自分の生活に当てはめて考えられるかです。住み込みでは寮費が毎月かかるため、休工日の扱いは特に確認しておきたい点です。

今日できるのは、気になる求人の給与欄を見て、月給・日給月給・日給のどれにあたるかを書き出すことです。

一本の目地をきれいに仕上げる技術は、建物を雨から守る仕事に直結しています。給与形態を一つ確かめるところから、準備を始めてみてください。

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