住宅の塀や倉庫の壁などで見かけるコンクリートブロックは、職人が1個ずつ位置と高さをそろえて積み上げています。ブロック工は、建築用コンクリートブロックを基準線に合わせて積み、鉄筋とモルタルで一体化させて、塀や壁をつくる仕事です。この記事では、呼び方の違い、作業工程、左官・タイル工との違い、資格の考え方、住み込みで働く場合に求人票で確認したい点を整理します。
呼び方の違い
同じ仕事でも、求人や資料によって呼び方が異なります。
ブロック工
建築ブロック工
ブロック積工
ブロック積み(厚生労働省の職業情報サイト job tag での名称)
求人を探すときは、これらの呼び方も含めて見ておくと見落としを減らせます。
どこで働くか
ブロック工は、住宅の外構(塀・門まわり・花壇など)や、建物の壁をつくる工事に関わります。外構工事の会社で働く場合と、建築工事の会社で働く場合とで、担当する現場の種類が変わります。

ブロック工の仕事内容・作業の流れ
例として次のような工程があります。実際の順序や役割分担は、会社や現場によって異なります。
図面を確認し、ブロックを積む位置に印を付ける
杭と水糸を張り、壁のまっすぐな通りと高さの基準をつくる
基礎コンクリートの上面の高さと、基礎から立ち上がる縦方向の鉄筋の位置を確認する
モルタルを練る
1段目のブロックを、水平と通りを確かめながら据える
2段目以降を積み上げ、決められた段に横方向の鉄筋を入れる
ブロックの空洞部に、モルタルやコンクリートを詰める
ブロックどうしの継ぎ目(目地)を仕上げる
最上段を仕上げ、周囲を清掃する
1段目の据え方で、その上に積むすべての段の位置が決まります。基準の水糸に合わせて、1個ずつ高さと傾きを確かめる作業が、仕事の中心です。
化粧積みと下地積み
種類 | 内容 |
|---|---|
化粧積み | 表面に模様や色のあるブロックを使い、積んだ面をそのまま仕上げとして見せる |
下地積み | 積んだ後に、塗装・左官・タイルなどで仕上げる前提で積む |
化粧積みでは、目地の幅やブロック表面の汚れがそのまま見た目に残ります。下地積みでは、後の仕上げ工程に合わせた精度が求められます。
ブロック塀には構造の基準がある
補強コンクリートブロック造の塀は、建築基準法施行令で、高さ、壁の厚さ、鉄筋、控壁(塀を支える壁)などの基準が定められています。ブロック工の仕事は、見た目を整えるだけでなく、こうした基準に沿った施工に関わる仕事です。
似た職種との違い
職種 | 主な仕事 | ブロック工との関係 |
|---|---|---|
ブロック工 | コンクリートブロックを積み、塀や壁をつくる | - |
左官 | モルタルや土などを塗り、壁や床を仕上げる | ブロック塀の表面を塗り仕上げする場合がある |
タイル工 | タイルを張って仕上げる | 下地積みしたブロックの上に、タイルを張る場合がある |
鉄筋工 | 鉄筋を組み立てる | 基礎の鉄筋を組む場合がある。ブロック内の鉄筋は、ブロック工が入れる場合がある |
同じモルタルを扱っていても、ブロック工は「積む」、左官は「塗る」ことが中心です。塗り仕上げの仕事は「左官の仕事内容」、タイル張りは「タイル工の仕事内容」で扱っています。
未経験者が最初に担当する仕事
ブロックやモルタル材料の運搬
モルタルを練る作業
水糸を張る作業の補助
目地の清掃や、ブロック表面の汚れ落とし
道具の洗浄、片付け
最初はモルタルの練り具合を覚えることから始まる場合があります。硬さが合わないと、積む作業がしにくくなるためです。どの段階から積む作業を任されるかは、会社に確認してください。
資格・教育
ブロック工として入職するために、全員があらかじめ取得しなければならない1つの資格があるわけではありません。ただし、求人ごとに応募条件は異なり、担当する作業によっては法令で定められた教育の受講や資格が必要になります。
技能検定「ブロック建築」
厚生労働省の技能検定には「ブロック建築」があり、合格すると「ブロック建築技能士」を名乗れます。技能検定は技能の水準を評価する国家検定で、働き始めるための免許ではありません。受検資格は、等級のほか、実務経験、学歴、職業訓練歴などによって異なります。
資格が入職の条件でないことは、簡単な仕事という意味ではありません。通りと高さをそろえる精度は、経験を重ねて身につけていくものです。
作業によって必要になる教育
作業 | 必要になるもの |
|---|---|
研削といしの取替え、または取替え時の試運転 | 特別教育 |
足場の組立て・解体・変更の作業(地上または堅固な床上での補助作業を除く) | 足場特別教育 |
高さ2m以上で作業床の設置が困難な場所で、フルハーネス型墜落制止用器具を使用する作業(ロープ高所作業を除く) | フルハーネス特別教育 |
新たに職長等の職務に就く場合 | 事業者が行う職長教育 |
ブロックの切断にカッターなどを使う場合も、工具を使うこと自体は研削といしの特別教育の対象ではありません。

安全面で知っておきたいこと
重量物:ブロックやモルタル材料を繰り返し持ち運ぶため、腰を痛めない持ち方や運び方を教わっておくことが大切です。
セメントの付着:モルタルが皮膚や目に付いたままにならないよう、手袋や保護メガネを使います。
切断時の粉じん:ブロックを切断するときは、材料や作業条件に応じて保護具を使います。
暑さ:屋外作業が法令上「熱中症を生ずるおそれのある作業」に該当する場合、事業者は症状を報告する体制を整え、作業からの離脱・身体の冷却・必要に応じた医師の診察等の手順を定めて周知します。

1日の流れ(例)
寮から現場へ移動する
朝礼で、その日の作業範囲と危険な箇所を確認する
水糸を張り直し、前日までに積んだ部分の状態を確認する
モルタルを練り、ブロックを積む
昼休憩をとる
空洞部への充填や目地の仕上げを行う
道具を洗い、片付ける
寮へ戻る

住み込みで確認すること
外構中心か建築中心かによる、現場の場所と移動方法
雨の日の作業の扱いと、その日の給与
作業着・安全靴・手袋などの支給範囲
寮費、食事、入寮時の費用、赴任時の移動費
入社時の移動費は「住み込みの赴任交通費」で扱っています。
求人票で確認するポイント
項目 | 見るところ | 確認したい理由 |
|---|---|---|
仕事内容 | 外構・塀・建物の壁のどれが中心か | 現場の種類と覚える作業が変わるため |
担当範囲 | 基礎や左官仕上げまで含むか | ブロック積み以外の作業の有無が分かるため |
契約形態 | 雇用契約か、請負・業務委託か | 社会保険や給与の扱いが変わるため |
給与形態 | 日給・月給、雨天時・休工日の扱い | 休工日の賃金は、給与形態や就業規則・賃金規定等によって異なるため |
資格取得支援 | 技能検定の受検支援の有無 | 経験を積んだ後の目標を立てやすくするため |
寮 | 寮費、個室かどうか、現場までの距離 | 毎月の出費と生活リズムに関わるため |
面接で聞いておきたい質問
主な現場は、住宅の外構ですか。建物の壁ですか。
ブロック積み以外に、基礎や塗り仕上げの作業も担当しますか。
未経験の場合、積む作業を任されるまでは、どのような作業を担当しますか。
雨で作業が中止になった日の給与は、どのような扱いになりますか。
技能検定を受ける場合、会社から支援はありますか。
雇用契約ですか。請負・業務委託ですか。
判断するときのポイント
外構と建築のどちらの現場に関心があるか
重量物を運ぶ作業について、持ち方や分担を含めて説明があるか
雨の日の働き方と給与の扱いが、生活の計画と合うか
よくある質問
Q. 力に自信がなくても働けますか?
ブロックや材料を運ぶ作業はあります。運び方や分担の方法は会社や現場によって違うため、面接で1日の作業内容を具体的に聞いてから判断してください。
Q. ブロック工と石積みの仕事は同じですか?
材料が異なります。ブロック工は工場で作られたコンクリートブロックを使い、石積みは自然の石などを扱います。会社によっては両方を扱う場合があります。
Q. 雨の日は仕事がありますか?
雨の日は、モルタルを使う屋外の作業を行わない判断をすることがあります。その日の扱いや給与は会社によって異なるため、求人票と面接で確認してください。
まとめ
応募前に確認したいのは、次の3点です。
外構と建物の壁のどちらが中心の会社か
未経験で入ったとき、積む作業までにどんな作業を担当するか
雨の日や休工日の働き方と給与の扱い
この3点が分かれば、現場の種類、成長の道筋、毎月の収入の見通しを判断しやすくなります。雨の日の扱いが分からないままだと、住み込み生活の出費と収入の計画が立てにくくなります。
判断の軸は、積む技術を身につけるまでの道筋が見えるかです。最初の担当作業が具体的に説明されれば、入社後の数か月を想像できます。
今日できるのは、気になる求人の仕事内容欄で「外構」「塀」「建築」のどれが書かれているかを確かめることです。
1段ずつ積み上げた壁が形になるように、仕事の経験も1日ずつ積み重なっていきます。

